本日は、セドナの真っ赤な岩の中に現れるチャペル「チャペル・オブ・ホーリー・クロス」をご紹介します。
チャペルの行き方
住所:780 Chapel Rd, Sedona, AZ 86336
URL:https://chapeloftheholycross.com/
チャペル・オブ・ホーリー・クロスは、カセドラル・ロックの少し北、スヌーピー・ロックの少し南にあります。駐車場から5分ほどカーブした坂を登っていくと、チャペルの入り口に到着。チャペルの中に入ると、キャンドルをお供えしたり、聖水をいただくことができます。地下はギフトショップで、キリスト教関連の書籍やグッズが多数。聖水を詰めるボトルが36ドルで売っていました。ローマン・カトリックのチャペルとして現在も宗教的活動を続けていますが、ここで感じる感覚は、宗派関係なく人を引き付けるものがありそうです。
アクセスがよし、眺めがよし。ワイルドな岩と直線的でモダンなチャペルのコントラストが興味深いです。チャペルにはトイレがないので駐車場にある仮設トイレを使いましょう。またここからハイキングに出発することもできます。
チャペルの歴史
チャペル・オブ・ホーリー・クロスは、地元セドナの牧場主で彫刻家のMarguerite Brunswig Staude(読み方わかりません)さんが、1932年に建設されたばかりのニューヨークの高層ビルエンパイア・ステート・ビルに触発され、このような教会を建てることを思い立ち、依頼したものだそうです。直線的で力強い十字架のイメージがエンパイア・ステート・ビルの鉄骨のイメージだと彫刻家に伝えて実現化したそうです。
はじめは、建築家フランク・ロイド・ライトの息子ロイド・ライトの協力を経て、ハンガリーのブダペストにて建築しようとしたところ、第二次世界大戦の勃発によって頓挫したため、地元セドナに建築することにしたそうです。プダベストからセドナってまた随分スケールの大きな方向転換ですね。
結局リチャード・ハインがプロジェクト・アーキテクトに選ばれ、アンシェン&アレン事務所の建築家オーガスト・K・ストロッツが設計を担当し、礼拝堂は1956年に完成したそうです。
結構直線的で力強さを感じたので、女性が作ったんだ!?という驚きと同意に、(このMargueriteさん、「地元の牧場主かつ彫刻家」というプロフィールもユニークだし、世界を股にかけた計画や、人脈もコネクションとかやばくないですか?只者ではないよね?)と思って調べてみたところ、やはり。なんと、Margueriteさんは、ロスの街が生まれた初期に活躍し大成功した卸売り薬局一家の娘であり、この教会は、Margueriteさんが両親の思い出のために捧げたとも言われているそう。
Margueriteさんの父のLucien Brunswigさんは、19世紀末フランスからアメリカに移民し、薬剤師として働く傍ら、テキサス→ロサンゼルスと移住しながら、卸売り薬局を創立して財をなしたという人物。USC(南カリフォルニア大学)の薬学部や、ロスのダウンタウンにあるメキシコ街として人気の観光名所「オルベラ街」の整備にも寄付などを通じて多大な貢献したのです。そういえば、オルベラ街にはBrunswigと名前のついた歴史的建造物がありました。
セドナにいながらにして「ロスにとって重要な人物」の足跡を感じることになりました。